ウェザーアトラス その8
ウェザーアトラスの機能紹介8回目の今回は、気象用語集の後半と支援資料(天気図FAX)の見方についてです。
おそらく、ほとんど知られていない機能ですが、ウェザーアトラスのツリーメニューで、各項目を右クリックをすると、「この項目を開く」と「解説」というメニューが出ます。
この「解説」を選択することにより、その項目に応じた資料の解説を見ることが出来ます。例えば、天気図FAXではそれぞれの支援資料の見方を見ることが出来るわけです。
試しに、FXFE502(12時間および24時間後の500hPa面の高度と渦度、地上天気図の予想図)の解説を見てみると、
【内容】 12時間後および24時間後の500hPa(上空約5,500m)の渦度、地上気圧配置の予想図です。500hPaのトラフ・リッジの変化、地上気圧の変化、降水量を把握します。 1日2回(9,21時)の観測結果を基に作成されます。 1枚の天気図に500hPaと地上の天気図について、それぞれ12,24時間後の予想図(4種類)が示されています。 天気図欄外の「FXFE502 ddhhmmUTC MMM YYYY」はその天気図を作成する基となった観測結果の時刻(初期時刻)を示します。例えば、「FXFE502 090000UTC JUL 2002」の場合、初期時刻は2002年7月09日00時00分(世界協定時)を表します。 また、「VALID ddhh00UTC」は予想時刻を示します。例えば、「VALID 091200UTC」の場合、09日12時00分における予想図を表します。 【見方のポイント】 等渦度線: 2.地上気圧配置、降水量(上段、左側:12時間後、右側:24時間後の予想図) 高気圧、低気圧: 降水量: |
さらに、渦度やトラフといった専門用語にはリンクが張られており、その用語の説明を見ることが出来るのです。
渦度 「うずど」と読みます。大気の流れる速さが違うと、大気は回転しようとします。この回転しようとする大きさを渦度と呼びます。 例えば、東西方向の大気の流れがあり、その中心線付近で風が最も強い(強風軸)とします。この強風軸の北側では、大気は反時計回りに回転しようとします。一方、南側では、大気は時計回りに回転しようとします。 この反時計回りの回転を「低気圧性循環」や「正渦度」、時計回りの回転を「高気圧性循環」や「負渦度」と呼びます。 つまり、強風軸(ジェット気流)の北側には正渦度、南側には負渦度が生じ、強風軸は渦度0線に対応します。 また、大気が蛇行しているときの、曲率部も速度差(回転)が生じ、同様の渦度が生じます。蛇行部の正渦度領域のことを「トラフ(気圧の谷)」、負渦度領域を「リッジ(気圧の尾根)」と呼びます。 つまり、偏西風が赤道側に垂れ下がった部分が「トラフ」、極側にふくらんだ部分が「リッジ」となるわけです。 |
ここまで来たら、十分に気象予報士試験に対応出来るのではないでしょうか?
こんな隠れた機能をもっと宣伝して、ウェザーアトラスを気象予報士試験教材として販売して欲しかったです。
ウェザーアトラスの機能【目次】
第1回:概要(1月13日)
第2回:警報・注意報が発表されている地域がよく分かる(1月18日)
第3回:雨降りアラーム、警報・注意報アラームを設定しよう(2月24日)
第4回:台風までの距離を測ろう(4月5日)
第5回:地震発生!すかさずウェザーアトラスで確認しよう(4月11日)
第6回:アメダスや雲の動きをアニメーションで表示しよう(4月19日)
第7回:難しい気象用語もこれで安心(5月3日)
第8回:気象予報士試験対策にもなる?支援資料の見方(今回)
第9回:最近発生した地震の震源分布を表示しよう(8月8日)
最終回:ウェザーアトラスをカスタマイズしよう(8月27日)
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