風力発電の出力と発電量(その1)
いつもコメント下さるちゃくれさんから宿題を貰っていたので、その答えを書きます。
宿題の内容は、「風力発電の495kWとはどれくらいの量なんでしょうか?」というものでした。
うーん・・・これを分かりやすく説明するのは難しいです。というわけで、今回は手抜き回答と言うことで、ゴメンなさいです(m_m)。
よく混同されてしまうのですが、電力の単位には「kW」と「kWh」の二種類があります。
kW(W)は発電出力を表す場合、kWh(Wh)は発電量を表す場合に使います。
風力発電に限らず、原子力発電でも火力発電でも水力発電でも出力100万kWとか書かれています。
発電出力はその発電所で生むことが出来る電気の量です。
100万kWでは大きすぎて想像が出来ないでしょうから、分かりやすくするために出力40Wの発電機(発電所)があるとします。
この発電機は40Wの電気を生むことが出来ます。言い換えれば、40Wの電球を点灯させることが出来るということです。
そして、この発電を1時間ずっと続けて、生まれた電気の量が発電量です。式で表すと、40W×1時間(h)=40Whとなります。
WhのWの後のhは時間(hour)のことで、Wとhを掛け合わせていることを意味しています。
だから、2時間発電すると、40W×2h=80Wh、24時間発電すると、40W×24h=960Whとなります。
逆に、40Wの電球を1時間点灯し続けると、電気を消費するので消費電力と呼び、その大きさはやはり、40W×1h=40Whです。
同様に、2時間点灯すると、40W×2h=80Wh、24時間点灯すると、40W×24h=960Whとなります。
電気料金の請求書に書かれている使用量には○○○kWhと消費電力を表す単位が書かれているはずです。
ちょっと難しいので、今回はこれまでです。次回は、風力発電でどの程度の発電量があり、家庭で使用する電気をどの程度賄えるのかを考えてみたいと思います。
ちなみに、電気は貯めることが出来ないので(バッテリーは別)、発電量と消費電力量がバランスするようにしなければなりません。
そのため、電力会社は刻々と変化する消費電力量を予測しながら、発電量を調整しています。
« 阪神首位守る | トップページ | ここはどこの風車? »
「エネルギー」カテゴリの記事
- 節電(2011.07.01)
- 放射線の人体への影響(その3)(2011.05.13)
- 放射線の人体への影響(その2)(2011.05.10)
- 放射線の人体への影響(その1)(2011.05.01)
「風力発電」カテゴリの記事
- 横浜開港150周年(その2)(2009.06.09)
- 蒲田横浜歩行-暇人?変人?-(2009.05.05)
- はやぶさから九州横断特急に乗り換え(2009.03.06)
- 好きな場所(2008.08.16)
- 上ノ国風力発電所(2008.06.24)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
おはようございます♪
おかしな質問してしまいましたね、すみません(汗
そして、ありがとうございます!
ここを読んで、少しずつわかってきました。
はい、「kW」と「kWh」を混同していました・・・
「h」の存在に気付いていませんでした。早速見てみたら、なるほど、書いてあります。
>発電出力はその発電所で生むことが出来る電気の量です
100万kwの発電所だと、そこで生み出せる最大の電気量が
100万kwで、それを調節しながら発電している・・・常にフル回転しているわけではない、と理解していいのでしょうか。間違っていたらすみません。
・・・・理科系に弱い私です。(文系なんです・・・)
昨日の風車はかなりぶんぶん回っていました。台風が来たら・・・想像できません。(怖くて外にも出られないので)
投稿: ちゃくれ | 2005年9月 3日 (土) 09:26
興味深く拝見しました。
単位を小さくして易しく説明していただくと分かりやすいですね。
ちょっと話がそれますが、昨日、富士重工業と東京電力が共同して
電気自動車の開発を進めることになったというニュースを目にしました。
温暖化対策の一環として、と紹介されていました。
そのとき感じた素朴な疑問です。
電気を使って走るということは、そのための電気を発電しなきゃいけないわけですよね。
発電するために派生する二酸化炭素量というのは大丈夫なんですか?
自動車の排気ガスがなくなることのほうが、その分電気を使うことより
温暖化防止につながるのでしょうか?
突然変な質問(それも拙い表現;)を投げかけてしまってすみません!
投稿: ポージィ | 2005年9月 3日 (土) 10:01
ラナさんはわかってらっしゃると思いますが、ちょっと細かい突っ込み。
> 発電出力はその発電所で生むことが出来る電気の量です。
>
電気の量だとクーロン (C=A・s) になってしまいますから、正確には単位時間当たりのエネルギー発生量 (W=J/s) ですね。ジュール (J) はエネルギーを表す単位 (細かいことを言うと質量と距離と時間の単位でも表現できるのですが) で、多分一般にはなじみは無いでしょうが、4.1868 で割るとガス・バーナーなんかで出てくる熱量の単位カロリー (cal) と一致します。
投稿: 心理歴史学者 | 2005年9月 3日 (土) 23:21
ポージィさん、コメントありがとうございました。
> 電気を使って走るということは、そのための電気を発電しなきゃいけないわけですよね。
> 発電するために派生する二酸化炭素量というのは大丈夫なんですか?
> 自動車の排気ガスがなくなることのほうが、その分電気を使うことより
> 温暖化防止につながるのでしょうか?
> 突然変な質問(それも拙い表現;)を投げかけてしまってすみません!
>
ポージィさん、全然拙くないですよ。いいところに、気付きましたね。
私も、興味を持ったので、ちょっと調べてみました。
確かな答えを得ることは出来なかったのですが、だいたいのことは分かりました。
その答えとは?
またまた、後ほど本文で書きたいと思います。お楽しみに!!
投稿: ラナ | 2005年9月 4日 (日) 00:17
心理歴史学者さん、詳細な解説ありがとうございました。
> 電気の量だとクーロン (C=A・s) になってしまいますから、
> 正確には単位時間当たりのエネルギー発生量 (W=J/s) ですね。
>
そうですよね。電気というのが、「電荷」なのか「電流」なのか「エネルギー」なのかちょっと理解しにくいですよね。
ここでは、一般的に電気のことを言うWのことを説明したかったので、あのような表現になってしまいました。
ご指摘ありがとうございました。
> 4.1868 で割るとガス・バーナーなんかで出てくる熱量の単位カロリー (cal) と一致します。
>
最近は、エネルギー(熱量)をJ(ジュール)単位で見かけることが多くなりましたが、やはり一般にはcal(カロリー)のほうが、分かりやすいんでしょうね。
投稿: ラナ | 2005年9月 4日 (日) 00:26
ちゃくれさん、コメントありがとうございました。
> 100万kwの発電所だと、そこで生み出せる最大の電気量が
> 100万kwで、それを調節しながら発電している・・・常にフル回転しているわけではない、と理解していいのでしょうか。
>
そうそう、だいたいそういった考え方でOKですよ。
ただ、風力発電の場合は「風まかせ」なので、ちょっと違いますけどね。
> 昨日の風車はかなりぶんぶん回っていました。台風が来たら・・・想像できません。(怖くて外にも出られないので)
>
大型で非常に強い台風14号が与論方面に接近してますよね。
くれぐれもお気をつけ下さい。
なお、台風が来たら(だいたい風速25m/sで)、下のような方法で風車を止めます。暴風でも回り続けたら、危険ですからね。
1.風車が回らないようにブレーキ
2.羽を正面から見て垂直にしたり、ナセル(風車の上の大きな部分)を風に対して水平方向に向きを変えるなどして、羽に当たる風を少なくして風車が回らないようにする
投稿: ラナ | 2005年9月 4日 (日) 00:42
よく考えたら私も自爆してました(^_^;
ガス・バーナーとかだとカロリーと言っても cal/s なんで実質係数が違うだけでワット (W) と一緒ですね。食品の方なら量を限定 (メニューの一品とか) してしまえばエネルギー量なんでいいんでしょうけど、あれもカロリーと言っても 1 気圧で水 1 g を 1 ℃あげるのに必要な熱量と言う定義になんか係数がかかってたような気が。
最近、熱量をジュールで表現することが多いと言うのは気圧のミリ・バール (mbar) がヘクト・パスカル (hPa) に変わったのと同時期なんでしょうかね。法律で SI 単位系が義務付けになっているとかの理由があるのかどうかまでは知らないんですが。
投稿: 心理歴史学者 | 2005年9月 4日 (日) 13:56
心理歴史学者さん、コメントありがとうございました。
> ガス・バーナーとかだとカロリーと言っても cal/s なんで実質係数が違うだけでワット (W) と一緒ですね。
>
単位には気をつけなければなりませんね。
エアコンとかの出力表示も以前は「kcal/h」だったのが、最近では「kW」表示になっています。
ちなみに、kWに860を掛けるとkcal/hになります。
> 最近、熱量をジュールで表現することが多いと言うのは気圧のミリ・バール (mbar) がヘクト・パスカル (hPa) に変わったのと同時期なんでしょうかね。
> 法律で SI 単位系が義務付けになっているとかの理由があるのかどうかまでは知らないんですが。
>
いずれも計量法の改正により、表記が変わったはずです。
mbからhPaの表記に変わったのは、1992年11月、熱量の単位がJ表記に変わったのは、1999年10です。
ただし、熱量でも食品(栄養学)の熱量に関しては、従来通りkcalを使用しても構わないそうです。
投稿: ラナ | 2005年9月 6日 (火) 02:07