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2007年3月15日 (木)

空を見ること

このブログには気象予報士の資格を取った方や、現在勉強中の方も見られているかと思います。

その方々にお伺いいたします。「あなたは、なぜ気象予報士になった(なろうとしている)のですか?」

「仕事で必要だから」、「ウェザーキャスターになりたいから」、「気象が好きだから」、「資格を取るのが趣味だから」・・・などの答えがあるかと思います。

私の場合、「次々と変化する空模様を眺めることが、中学生の頃から好きで、そんな空のことをもっと詳しく知りたかったからです。」

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しかし、今ではそのことをすっかりと忘れてしまっていました。

今の天気予報は、気象庁がコンピュータによって計算した結果(数値予報)を基に行われていることは、ご存じだと思います。

だから、多くの気象予報士は、その数値予報結果を見て、明日の天気は、どうだこうだと考えていることだと思います。

数値予報結果がないと天気予報は出来ないのです。

ところで、気象庁のベテラン予報官など長年気象に携わってきた方からは、よく次のようなことを言われます。

それは、「天気予報の基本は、まずは実況監視、実況把握。」ということでです。

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実況監視や把握とは、現在の気象状況を確認したり把握するということです。簡単に言えば、「空を見る」ということです(それ以外に気象衛星画像や気象レーダー、解析天気図などもありますが)。

「今、どうなっているかが分かっていなければ、未来のことなど分からない。」ということだそうです。

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ところが、「最近はその実況の把握をおろそかにし、数値予報結果だけで天気予報をしようとする傾向が大きい。それではいけない。」と、そのベテラン予報官は言います。


自分自身もそのことを忘れていました。自分は空を眺めるのが好きだったから、気象予報士になったんだということを。

今の生活では、ほとんど空を眺める余裕はないですが、あの時の原点に立ち戻ろうと思った瞬間でした。

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気象」カテゴリの記事

コメント

ラナさんお久し振りです。今週は長良川球場で行われる巨人対阪神オープン戦に行こうと思っていたのに積雪で中止になってしまいました。

もう十数年前に気象台で働いたことがある知人に聞いた話なのですが、基本的には数値予報をベースに予報するのだけれども最終的にはその土地ローカルな長年培った経験則で決定すると言っていました。私の住んでいる地方では 2 年ほど前から土曜日の夕方にお天気の情報番組をやっていますが、その中でも地元のお年寄りをお天気キャスターとして翌日の天気予報をしてもらうコーナーがあります。みんな空をを見て雲の流れやどちらから風が吹いているのかなどで判断しており、地元で長年第一次産業に携わってきた人の経験値はなかなかのものがあります。

お久し振りです。

空を見たことのない気象予報士さんが、データだけで天気

予報を出す、なんてことになったらなんか寒いですねぇ。

その地域地域の特性などもあって、データだけでは予想

しきれないものがありますし。

現に、天気予報で関東一帯(横浜・小田原も)よく晴れて、

とどんなに天気予報で言っていても、どこが晴れてるんじゃい

と言いたくなるどんより曇天、ということがしょっちゅうあります。

ベテラン予報官さんの言葉は正しいと思いますね。

現代はなにかと数値データにばかり頼りがち。

これは、医療の現場や、生産業の現場でもいえることですね。

数値データが楽に手に入るようになったからといって、

大切なものを忘れないようにしなくてはいけません。

それにしても、魅惑的な空の写真が色々。飛行機の窓から

撮られたものが多いのかしら?

心理歴史学者さん、覚えて下さってありがとうございます。

> 今週は長良川球場で行われる巨人対阪神オープン戦に

> 行こうと思っていたのに積雪で中止になってしまいました。

>

2月までは暖かかったので、オープン戦が積雪により中止になるとは、驚きでした。

> みんな空をを見て雲の流れやどちらから風が吹いているのか

> などで判断しており、地元で長年第一次産業に携わってきた

> 人の経験値はなかなかのものがあります。

>

確かにそうですよね。その土地の天気はその地の人がよく知っているのでしょう。

数値予報はもちろん重要で必要ですが、やはり空を見ることを忘れてはいけないですよね。

ポージィさん、覚えて下さってありがとうございます。

> 現に、天気予報で関東一帯(横浜・小田原も)よく晴れて、

> とどんなに天気予報で言っていても、どこが晴れてるんじゃい

> と言いたくなるどんより曇天、ということがしょっちゅうあります。

>

そうそう、確かにそんなことありますよね。

これとはちょっと違いますが、昨日(3/16)東京でようやく初雪が観測されました。

しかし、都心でもすでに雪が舞っているのを見たという話しを何度か聞いています。

これは、単に気象庁(東京・大手町)の真上で気象庁職員が観測していなかっただけでだったんでしょう。

> それにしても、魅惑的な空の写真が色々。飛行機の窓から

> 撮られたものが多いのかしら?

>

結構古い写真が多いんですよ。そういう意味からも最近は空を眺めていないことが分かります。

最後の夕日の写真が飛行機から撮ったものです。

お久しぶりです。

先日の開花予想のトラブルでは、なんとも無機質なものを感じてしまいました。

桜の開花を高い精度で予測するコンピュータプログラムなんて、素直にすごいと思います。

でも、その出力を100%正として運用していたことには、ちょっと驚きました。

気象予報の基本は空を見ること。

そして、開花予想の基本も花のつぼみを見ることなんでしょうね。

mm@nelさん、お久しぶりです。

コメントありがとうございました。

コメント返しは本文で書きたいと思います。今夜にでもアップしますので、今しばらくお待ち下さい。

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