市町村単位で気象警報・注意報の発表へ
ニュース等で報じられているとおり、今日(5月27日)13時から、気象警報・注意報がこれまでの区域ごと(二次細分区域)の発表から、市町村単位(東京特別区は区単位)での発表に変更されました。
変更の主な目的は、「市町村長が行う避難勧告等の防災対応の判断や住民の自主的な避難行動をよりきめ細かく支援するため。」となっていますが、この変更により、具体的にはどのような変化があるのでしょうか?
一般的な考えを踏まえて、自分なりに簡単にまとめてみました。
1.発表されている場所が分かりやすくなる
これまでは、一次細分区域や二次細分区域といった名称で警報・注意報が発表されていたため、自分の居る場所等に発表されているのかが、分かりにくかったと思います。これが、具体的な市町村名に変更されるので、自分の居る場所等の発表の有無が簡単に分かります。
例えば、奈良市の場合、これまでの一次細分区域は「奈良県北部」、二次細分区域は「奈良県北西部」として発表されていました。しかし、奈良市が奈良県北西部に属するということを一体どれだけの奈良市民は知っていたことでしょうか?
「東京都23区西部」と「東京都23区東部」の境界線がどこにあるかをどれだけの東京都民が知っていたことでしょうか?
2.「オオカミ少年」的考えが減る
これまで、自分の居る場所に警報が発表されていたにも関わらず、「大したことなかったやん。」ということが多々あったかと思います。
それは、激しい大雨などは幅10km程度以下の狭い範囲で降ることが多く、これまでの(きめ細かな)二次細分区域でもその一部では激しい大雨が降っているものの、その他の場所では激しく降っていない場合があり得たからです。
それをさらにきめ細かな市町村毎の発表に変更することにより、「大したことなかったやん」という所謂「オオカミ少年」的な考えが減ることでしょう。
実際の運用は、広い範囲で警報・注意報が発表される場合は、これまでの「一次細分区域」や「市町村等をまとめた地域」(従来の二次細分区域)※として発表されるようです。
このような場合、メディア等がどのように表現するかは、各社の工夫次第と思います。発表されている市町村名を全て読み上げる、そのエリアを地図で示すといったことになるかと思います。
私は、テレビの天気予報をほとんど見ないので、現在でも各社がどのような工夫をしているかは、詳しくは知りませんが、従来の二次細分区域ごとに地図で示す発表方法は、NHK大阪放送局で以前から用いられています。
市町村名を全て読み上げるのは、大変という考えもあるかも知れませんが、現在でも震度情報は、市町村名よりさらにきめ細かな場所を一箇所ずつ発表しているので、問題ないと思います。
そして、私が知る限り、二次細分区域を地図上に分かりやすく発表する手法を最初に取り入れたのは、かつてあった気象情報サービスの「ウェザーアトラス」です(参考記事)。
これは、発表されている場所がとても分かりやすく表現されていました。
結局、市町村名を読み上げ、そのエリアを地図上に分かりやすく示すのが一番のやり方ではないでしょうか?
なお、市町村毎の警報・注意報の発表の詳しい情報については、気象庁のホームページをご覧下さい。
※今回の変更で市町村が新しい二次細分区域となり、従来の二次細分区域は「市町村等をまとめた地域」呼ばれるようになりました。
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