放射線と放射能、放射性物質(その2)
福島第一原子力発電所の事故について、国際原子力事象評価尺度(INES)がとうとう最高レベルであるレベル7(深刻な事故)に引き上げられてしまいました。
まだまだ先の見えない事態で、何とも痛ましいことです。
それでは、「放射線と放射能、放射性物質」について今回は、「電離とは?」です
[1-2]電離とは?
電離とは、物質(原子)から電子を剥ぎ取ることです。原子が電離した状態をイオンと呼びますが、一時期流行った「マイナスイオン効果」とは違います。
ちなみに、マイナスイオンは電機メーカなどが自社製品を売るために騙った科学的に根拠のないものだったと言われています。
例えばγ線が物質に当たると、その原子から電子が飛び出します。その飛び出た電子が別の原子の電子を飛び出させています。これが、放射線による電離作用です。
【エネルギーの一番低い原子の状態を基底状態といい、光子などを吸収することによりエネルギーの高い状態となることを「励起状態」と呼び、さらに大きなエネルギーを吸収すると、電子が飛び出し電離します。】
このように電離作用がある放射線のことを「電離放射線」と呼び、普通は単に「放射線」と呼ぶのです。
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