放射性ヨウ素について(その3)
放射性ヨウ素131は分子の状態(I2、2は下付き文字)やイオンの状態(I-、マイナスは上付き文字)等のものがあります。
このうち、I2は揮発し易いため放射線汚染を起こしやすく、I-は人体の甲状腺に集まる性質があります。
「その1」で書いた通り、放射性ヨウ素と普通のヨウ素は化学的な性質が同であるため、体の中で放射性ヨウ素と普通のヨウ素の区別をすることが出来ず、放射性ヨウ素も同時に取り込んでしまいます。
放射性ヨウ素を体内に取り込まないようするには、体内に必要なヨウ素を普通のヨウ素で満たしておく必要があります(不要な分は、排出される)。
ただし、日本人は食生活でヨウ素を含んだ海草類を食べているため、チェルノブイリ原子力発電所事故により甲状腺がんが多発した人たちよりも、放射性ヨウ素の取り込み量は少ないと言われています。
マスコミなどでも伝えられているように、ヨウ素を含んだうがい薬を飲むのは絶対にしないことです。効果がないばかりか、逆に健康障害を起こすそうです。
参考文献:
「放射線概論」、通商産業研究社
「絵とき 放射線のやさしい知識」、オーム社 他
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コメント
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> 放射性ヨウ素を体内に取り込まないようするには、体内
> に必要なヨウ素を普通のヨウ素で満たしておく必要があり
> ます(不要な分は、排出される)。
>
ラナさんが以前の記事で言っていたように低年齢の人たちや妊婦さんに対して予防措置として重要ですが、40 歳以上はリスクが変わらないので安定ヨウ素剤も処方されないようですね。それなりの年齢の人は不要な買いだめをせずに誰を優先させるべきなのかを落ち着いて考えて行動しないと。
首都圏の水道水で検出された放射性ヨウ素の I2 と I- の割合が判りませんが、I2 の方は活性炭などのフィルターでの除去作用がある程度効いても I- の方はこの手のフィルターでの除去は無理でしょう。I- まで取り除くには電気も必要ですがイオン交換樹脂膜とか海水を真水化する半透膜通すとかしないといけないでしょうね。
投稿: 心理歴史学者 | 2011年4月 8日 (金) 13:09
心理歴史学者さん、コメントいただきありがとうございました。
なるほど、I2(分子)の状態なら活性炭や中空子膜などのフィルタで除去出来るかも知れないですね。
ただ、浄水器の各メーカは、放射性物質まで除去出来るかどうかは分からないと伝えているようです。
半透膜により水溶液中のイオン物質も除去出来る浄水器もあるようですが、やはり放射性物質まで除去出来るかどうかは分からないようですね。
投稿: ラナ | 2011年4月12日 (火) 13:22