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2011年5月10日 (火)

放射線の人体への影響(その2)

[3-2]放射線影響の分類

放射線の影響には、大きく分けて「確定的影響」と「確率的影響」というものがあります。

確定的影響とは、ある線量を超えないと現れない影響のことで次のような影響があります。

1.白内障
2.皮膚損傷
3.血液失調症
4.不妊
 等

これらの影響が現れる線量のことを「閾(しきい)線量」といいます。確定的影響は、被曝線量を閾線量以下に保つことでその影響を防ぐことが出来ます。また、被曝線量が高いほど、症状の重篤度が高まります。

[3-1]放射線が人体に何を起こすか」で述べた、DNA損傷が致命的である場合は、細胞死を起こして起こる影響が、この確定的影響に当たります。


一方、確率的影響とは、そのような閾線量がなく低い線量でも現れ得る影響で

1.遺伝的影響
2.発がん

があります。被曝線量が高いほど、影響が発生する確率が高くなり、がんが発生するか否かで重篤度は変わりません。

[3-1]放射線が人体に何を起こすか」で述べた、損傷が致命的でない場合は、突然変異が起こった細胞として、細胞分裂が繰り返されて起こる影響が、この確率的影響に当たります。


参考文献:
「放射線概論」、通商産業研究社
「新・放射線の人体への影響」(改訂版)、日本保健物理学会・日本アイソトープ協会編


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